映像を上映するのではなく、スタジアム全体を決勝の舞台へ変える。
Background|背景
2024JリーグYBCルヴァンカップ決勝の開催にあたり、国立競技場で選手入場前に上映されるオープニングムービーを制作。
決勝戦は、一年間の戦いの集大成であり、選手とサポーターの思いがぶつかり合う特別な舞台です。
私たちに求められたのは、試合情報を紹介する映像ではなく、キックオフを待つ会場の期待と緊張感を一気に高め、選手入場へとつなげるオープニング体験の設計でした。
Challenge|課題
国立競技場には、メインの大型ビジョンだけでなく、スタンドを囲むリボンビジョンやピッチ脇のビジョンなど、複数の映像設備があります。
それぞれの画面に同じ映像を表示するだけでは、会場全体を包み込むような一体感は生まれません。
また、決勝を戦う両チームには、それぞれ異なる歴史やカラー、サポーター文化があります。
両者の個性と対立構造を尊重しながら、会場にいるすべての観客の感情を選手入場へ向けて高めていく演出が求められました。
Approach|解決アプローチ
私たちは、一本の映像を制作するのではなく、国立競技場全体を一つのスクリーンとして捉え、複数のビジョンが連動する空間演出を設計しました。
メインビジョンでは、選手やクラブの存在感、決勝戦ならではの緊張感をダイナミックに表現。
同時に、リボンビジョンとピッチ脇ビジョンにも連続するグラフィックを展開し、視覚情報がスタジアム全体へ広がっていく構成としました。
グラフィック表現には、対峙する両チームのチャントや応援文化から着想を得たモチーフを取り入れ、スクリーン単体ではなく、会場の構造、観客の視線、音響、チームやサポーターが持つ文化まで含めて、体験全体をデザインしました。
サポーターにとって親しみのある要素を抽象的なビジュアルへ翻訳し、映像、音楽、グラフィック、各ビジョンの表示タイミングを一体で設計することで、観客が映像を見るだけでなく、決勝戦の空気の中へ引き込まれていく体験となればと考えています。
Output|アウトプット
- メインビジョン映像
- リボンビジョン連動演出
- ピッチ脇ビジョン連動演出
- モーショングラフィックス制作
- 音楽・映像・空間を統合した演出設計














2024
CLIENT: JFA
AGENCY: Dentsu Live
Director: KEI TAKAHASHI
Art Director: KYOSUKE TSUJI
Motiongrapher: MAKOTO ENDO